押さえておきたい第2の補助金:中小企業等経営強化税制

補助率1/3の補助金Aと補助率1/3の補助金Bを組み合わせて補助率を2/3にしたい!!

そんな、希望をお持ちの事業者さんも多いかと思いますが残念ながら一つの投資には1つの補助金しか使えません。(地方自治体によっては組み合わせが可能な補助制度があります)

しかし、補助金と税金を減らす税額控除を組み合わせることは可能です。使い方を工夫すればまさに第2の補助金と言えます。

本稿では多くの企業が使いやすい中小企業等経営強化税制について解説します

補助金を採択し、報告を終えたらやっと入金です。そしてそのあとに待ち受けるのは・・・税金です。補助金受給は利益計上が必要なため、補助金を受けると税金が増えるのです。(これは仕方ない)

では、お金の動きについてパターン別に具体例を見ていきましょう

補助金を使わない場合

(法人税30%、法定償却年数10年で計算)

補助金で1億円設備を購入した場合です。

   1年目  支払い1億円(設備費用)必要

   1年目~10年目に償却費 1000万円計上

             =各年度約300万円の納税減

   10年合計で 1億円キャッシュアウト

                     3000万円キャッシュイン(支出減)

   差し引き7000万円キャッシュアウトとなります。

補助金を使う場合

1年目  支払い1億円万円

        補助金入金5000万円

         営業外利益5000万円計上

         =納税増加1500万円(ここで納税負担が発生します)

   1年目~10年目に償却費 1000万円計上

             =各年度約300万円の納税減

   10年で1億1500万円キャッシュアウト

          8000万円キャッシュイン

   差し引き  3500万円キャッシュアウト

   補助金5000万円をもらえたても最終的には3500万円しか増えないですね

   (もちろん設備導入による売上増加は考えない場合です)

補助金+圧縮記帳を使う

圧縮記帳とは補助金を受給した分を資産計上の圧縮に用いることで初年度の納税額を抑える方法です

1年目      支払い1億円万円

        補助金入金5000万円

         営業外利益5000万円計上

         特別損失 5000万円計上

         =納税への影響なし    

   1年目~10年目に償却費 500万円計上

             =各年度約150万円の納税減

   10年で1億0000万円キャッシュアウト

          6500万円キャッシュイン

   差し引き  3500万円キャッシュアウト

長期的に見ればキャッシュの動きは変わりません(初年度の納税負担は大きく減少しますが)

中小企業等経営強化税制とは

経営力向上計画を提出し、認定されると下記のメリットがあります(計画書も補助金向け事業計画よりもシンプルでいいので補助事業計画を要約するイメージです)

設備資金を全額償却
又は
税額控除10%(従業員1000人以下かつ資本金3000万円以下)、資本金3000万円超、1億円以下は7%

補助金+全額償却を使う

 1年目     支払い1億円万円

         補助金入金5000万円

         営業外利益5000万円

         全額償却(費用計上1億円)

         =1500万円の納税減

   1年で   1億0000万円キャッシュアウト

          6500万円キャッシュイン

   差し引き  3500万円キャッシュアウト、長期的にみると変わりませんが、初年度のキャッシュフローは大きく改善します

補助金を使う+税額控除を使う

こちらがおススメです。

 1年目     支払い1億円万円

補助金入金5000万円

         営業外利益5000万円

         =納税増加1500万円

          税額控除 1000万円

   1年目~10年目に償却費 1000万円計上

             =各年度約300万円の納税減

   10年で1億0500万円キャッシュアウト

          8000万円キャッシュイン

   差し引き  2500万円キャッシュアウト

この方法ですと、補助金5000万円のキャッシュイン効果3500万円だけでなく、税額控除効果1000万円を享受できます。企業の成長速度を高め、より多くの顧客に製品・サービスを届けたい経営者の方は制度のご活用を検討ください。お問い合わせをお待ちしております。